
こんなとき出やすい
- 家族や同僚の機嫌がよくないとき
- チームやグループの結果が、思わしくなかったとき
- 自分が企画した集まりが、予定どおりに進まなかったとき
別の見方のヒント
その出来事に関わった理由を、自分以外のものも含めて円グラフのように書き出してみてください。あなたの取り分は、思っているより小さいかもしれません。
個人化とは
個人化は、自分のせいとは限らない出来事まで、「自分が悪かったのではないか」「自分がもっとちゃんとしていれば防げたはず」と引き受けてしまいやすい思考のクセです。周りの人の機嫌や、グループの結果、偶然の出来事など、本来はたくさんの理由が重なって起きたことを、自分一人の責任として受け止めてしまうのが特徴です。
このクセを持つ人は、周りをよく見ていて、人の気持ちに敏感で、責任感が強いことが多いものです。人の様子の変化に気づき、自分にできることを考えようとする姿勢は、周りから見ても頼もしく、やさしい面でもあります。ただ、すべての出来事の理由を自分の中に探してしまうと、背負う荷物がどんどん重くなります。自分を責める時間が増えると、気分が落ち込みやすくなることがあります。
このクセがあるのはおかしいことではありません。人との関わりを大切にしている人ほど、自然と身につきやすいものです。「今、全部を自分で引き受けようとしているかもしれない」と気づくことが、見直しの第一歩になります。
日常でよくある例
家庭では、家族が帰ってきてから口数が少なく、機嫌がよくなさそうなときに、「自分が何か気にさわることをしたのでは」と考え込んでしまうことがあります。実際には、外で疲れることがあっただけかもしれません。
職場では、チームで進めていた仕事の成果が思わしくなかったとき、ほかにも多くの理由があったにもかかわらず、「自分の担当部分が足を引っぱった」と感じて、一人で反省し続けることがあります。
友だち関係では、自分が企画した集まりで、お店が混んでいて料理が遅れたり、参加者が少なかったりしたときに、「自分の段取りが悪かったせいで、みんなを楽しませられなかった」と思うことがあります。
恋愛では、パートナーが仕事の悩みで元気がないときにも、「自分といてもつまらないのかもしれない」と、自分との関係に原因を探してしまうことがあります。SNSでは、誰かが不満そうな投稿をしているのを見て、「もしかして自分のことかもしれない」と気になってしまうこともあるでしょう。
このクセが強く出やすいとき
個人化は、周りの人の様子がいつもと違うときに強く出やすくなります。理由が分からない状態が続くと、一番身近な原因として、自分自身を思い浮かべやすいからです。
また、自分がまとめ役や担当者になっているときも出やすくなります。リーダーを任された、行事の幹事になった、家族の予定を決めた、という立場にいると、結果のすべてが自分の責任のように感じられます。疲れているときや、以前に誰かから責められた経験があるときにも、このクセは顔を出しやすくなります。
別の見方を見つける問いかけ
「自分のせいかもしれない」と感じたときは、次のような問いを自分に向けてみてください。
- その出来事に関わった理由を、自分以外のものも含めていくつ挙げられますか。
- 理由を円グラフにすると、自分の取り分はどのくらいの大きさでしょうか。
- 相手の機嫌には、自分の知らない事情が関わっている可能性はありませんか。
- 同じことが友だちに起きていたら、あなたは「あなたのせいだね」と言うでしょうか。
- 自分にできることと、自分ではどうにもできないことを分けると、どうなりますか。
あなたの取り分は、思っているより小さいかもしれません。自分にできることだけを手元に残し、それ以外はそっと置いてみると、気持ちが少し軽くなります。
似ているパターンとの違い
すべき思考とはよく一緒に出てきます。すべき思考は、「〜すべき」という自分ルールが強く、守れないと自分や人を責めやすいクセです。個人化は、ルールの有無にかかわらず、出来事の原因を自分の中に探してしまうところに特徴があります。「自分がもっと〜すべきだった」と感じるとき、二つのクセが重なっていることがあります。
感情的決めつけとも似ています。感情的決めつけは、「申し訳ない気持ちがあるから、自分が悪いことをしたのだ」と、気持ちを証拠にするクセです。個人化は、気持ちよりも「出来事の原因はどこにあるか」という見積もりが、自分のほうに傾いている状態だと考えると見分けやすくなります。
つらいときの相談先
気持ちがつらい状態が続いているときは、ひとりで抱えずに話してみてください。名前を言わずに相談できる公的な窓口があります。
厚生労働省「まもろうよ こころ」
電話・SNS・チャットで相談できる窓口の一覧です。
相談窓口の一覧を見るこころの健康相談統一ダイヤル
相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります(通話料がかかります)。
公式サイトよりそいホットライン
24時間・通話無料。福島県からは 0120-279-226。
公式サイトいのちの電話
フリーダイヤル:毎日16:00〜21:00、毎月10日は8:00〜翌日8:00(通話無料)
ナビダイヤル:10:00〜22:00 年中無休(通話料がかかります)
公式サイト
電話番号と受付時間は2026年11月2日に各公式サイトで確認しました。変更されることがあるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。