
こんなとき出やすい
- 忘れ物やうっかりミスをしたとき
- 人に一度そっけない態度をとられたとき
- 思うように話せなかった日の帰り道
別の見方のヒント
「〜な人」を「今日は〜をした」に言い換えてみましょう。人は、ひとつの行動よりずっと多くの面を持っています。
レッテル貼りとは
レッテル貼りは、ひとつの行動や出来事から、「自分はだめな人間だ」「あの人は冷たい人だ」というように、人そのものに短い名前を付けてしまいやすい思考のクセです。「ラベリング」とも呼ばれます。本来は「今日、うっかりした」という一つの行動だったものが、「うっかりした人」という人全体の説明に置き換わってしまうのが特徴です。
物事に名前を付けることは、複雑な世界を分かりやすく整理するための便利な方法です。人について短い言葉でまとめるのも、相手との付き合い方を考える手がかりになります。ただ、人は一つの行動よりずっと多くの面を持っています。一度付けた名前は、そのあとの見え方を大きく左右します。自分に厳しいレッテルを付けると、何をしても「やっぱり自分は〜な人だから」と感じて、気分が落ち込みやすくなることがあります。
このクセがあるのはおかしいことではありません。短い言葉で物事をまとめたくなるのは、誰にでもある自然な働きです。「今、人に名前を付けたかもしれない」と気づくことが、見直しの第一歩になります。
日常でよくある例
職場では、会議に必要な資料を一つ持ってくるのを忘れたとき、「自分は本当に抜けている人間だ」と思ってしまうことがあります。普段はきちんと準備していることのほうが多くても、その一回が自分全体の説明になってしまいます。
学校では、授業で当てられてうまく答えられなかった日に、「自分は頭の回転が遅い人だ」と決めてしまうことがあります。
友だち関係では、あいさつをしたのに相手の反応がそっけなかっただけで、「あの人は感じの悪い人だ」と名前を付けてしまうことがあります。相手はたまたま考えごとをしていただけかもしれないのに、その一度の印象が、その後の付き合い方まで決めてしまうのです。
家庭や恋愛では、パートナーが家事を一度忘れたときに「あなたはいつも無責任な人だ」と言いたくなったり、言い合いのあとで自分を「器の小さい人間だ」と責めたりすることがあります。SNSでは、一つの発言だけを見て、その人の人柄全体を決めてしまうこともあるでしょう。
このクセが強く出やすいとき
レッテル貼りは、失敗した直後や、思うようにいかなかった日の帰り道に強く出やすくなります。気持ちが沈んでいるときは、出来事を一つひとつ振り返る余裕がなく、短い言葉でまとめて片づけたくなるからです。
また、人との関係で傷ついたときにも出やすくなります。相手に「〜な人」と名前を付けると、それ以上考えずにすむため、一時的には気持ちが楽になります。疲れているときや、同じような出来事が重なったときも、名前を付けて区切りたい気持ちが強くなりがちです。
別の見方を見つける問いかけ
人に名前を付けそうになったときは、次のような問いを自分に向けてみてください。
- 「〜な人」を「今日は〜をした」に言い換えると、どう聞こえますか。
- その名前に当てはまらない行動を、最近の中から一つ思い出せますか。
- 友だちが同じことをしたら、あなたはその人に同じ名前を付けるでしょうか。
- 相手がそうした背景に、自分の知らない事情はなかったでしょうか。
人は、ひとつの行動よりずっと多くの面を持っています。行動と人を分けて考えると、自分にも相手にも、少しやわらかい見方ができるようになります。
自分に付けたレッテルに気づいたら、そのあとに「でも」と続けて、別の面を一つ書き足してみるのもよい方法です。「忘れ物をした。でも、頼まれた仕事は期限どおりに終えた」と並べると、自分の姿がひとつの言葉より広く見えてきます。
似ているパターンとの違い
一般化のしすぎとはよく一緒に出てきます。一般化のしすぎは、一度の出来事から「いつもこうなる」と、出来事の回数や範囲を広げるクセです。レッテル貼りは、出来事を広げるのではなく、「そういう人だ」と人の性質そのものに結びつけるところが違います。
すべき思考とも関係があります。すべき思考は、「〜すべき」という自分ルールが守れないと、自分や人を責めやすいクセです。ルールを守れなかったことをきっかけに「だらしない人」「失礼な人」と名前を付けるとき、二つのクセは続けて出ています。
つらいときの相談先
気持ちがつらい状態が続いているときは、ひとりで抱えずに話してみてください。名前を言わずに相談できる公的な窓口があります。
厚生労働省「まもろうよ こころ」
電話・SNS・チャットで相談できる窓口の一覧です。
相談窓口の一覧を見るこころの健康相談統一ダイヤル
相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります(通話料がかかります)。
公式サイトよりそいホットライン
24時間・通話無料。福島県からは 0120-279-226。
公式サイトいのちの電話
フリーダイヤル:毎日16:00〜21:00、毎月10日は8:00〜翌日8:00(通話無料)
ナビダイヤル:10:00〜22:00 年中無休(通話料がかかります)
公式サイト
電話番号と受付時間は2026年11月2日に各公式サイトで確認しました。変更されることがあるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。